「なんとなく良さそう」「パッケージがおしゃれ」「CMでよく見る」──そんな理由でシャンプーを選んでいませんか?
実は市販シャンプーの中には、使い続けることで髪や頭皮にダメージを与える成分が含まれているものも少なくありません。美容師として毎日お客様の髪と向き合っている私が、成分表示の正しい読み方と、避けてほしい成分をわかりやすく解説します。
この記事を読めば、ドラッグストアでシャンプーを手に取ったとき、裏面の成分表示を見て「これは買い」「これはNG」と判断できるようになります。
シャンプーの成分表示の基本的な見方
配合量が多い順に書かれている
日本では薬機法により、化粧品の成分は配合量が多い順に記載することが義務付けられています。つまり、成分表示の先頭に近いほど「たくさん入っている成分」ということになります。
逆に言えば、リストの後半に書かれている成分は「ほんの少しだけ入っている」程度です。「〇〇エキス配合」と大きく謳っていても、成分表示のかなり後ろのほうにしか書かれていない場合は、ほとんど効果が期待できないということになります。
最初の5成分が特に重要
成分表示の最初から5番目までの成分が、そのシャンプーの品質を大きく左右します。特に2番目・3番目に記載されている「洗浄成分(界面活性剤)」の種類が、シャンプー選びの最大のポイントです。
「水」が1番目に来るのはほぼすべてのシャンプーで共通なので、実質的には2〜5番目の成分を重点的に確認するようにしましょう。
成分は大きく3つのグループで見る
シャンプーの成分は「水・洗浄成分・コンディショニング成分」の3グループで構成されています。洗浄成分がどれだけ髪や頭皮に優しいか、コンディショニング成分でどんな仕上がりを目指しているかを読み取ることが、成分表示を読む上での基本です。
美容師が「避けてほしい」成分ワースト5
第1位:ラウレス硫酸Na・ラウリル硫酸Na(硫酸系洗浄成分)
これが成分表示の上位にある場合は要注意です。洗浄力が非常に強く、頭皮の皮脂を必要以上に落としてしまいます。その結果、乾燥・かゆみ・フケ・過剰な皮脂分泌(べたつき)を引き起こすことがあります。
コストが安いため多くの市販シャンプーに使われていますが、髪質改善を目指す方には最も避けてほしい成分です。特に敏感肌・乾燥肌の方は確実にチェックしてください。
第2位:シリコン過多(ジメチコン・シクロメチコンなど)
シリコンそのものが悪いわけではありません。問題は「複数のシリコン系成分が上位に重複している」場合です。シリコンはコーティング効果で指通りを良くしますが、過剰に使われると毛穴に詰まりやすくなり、頭皮環境を悪化させることがあります。
また、シリコンでコーティングされた状態でトリートメントをしても、有効成分が髪の内部に浸透しにくくなります。サロンでのトリートメントの効果が出にくいと感じている方は、シャンプーのシリコン量を見直してみてください。
第3位:合成香料(香料)
成分表示に「香料」とだけ書かれているものは、複数の化学合成物質を混ぜた人工的な香りです。アレルギーや接触性皮膚炎を引き起こすリスクがあり、特に敏感な頭皮の方には刺激になることがあります。
「天然香料」や「精油(エッセンシャルオイル)」と明記されているものは比較的安心ですが、「香料」とだけ書かれているシャンプーは注意が必要です。
第4位:パラベン(防腐剤)
「メチルパラベン」「プロピルパラベン」などの防腐剤成分です。製品の劣化を防ぐために使われますが、皮膚への刺激性や内分泌かく乱作用(いわゆる環境ホルモン)の懸念から、敏感肌・アトピー肌の方には避けることをおすすめしています。
最近は「パラベンフリー」を売りにした商品も増えていますが、代替防腐剤が使われている場合も多いため、完全に安心とは言えません。全体的な成分バランスを見て判断しましょう。
第5位:塩化Na(食塩)
意外に思われるかもしれませんが、シャンプーにはとろみをつけるために塩化Na(食塩)が配合されていることがあります。これ自体に大きな毒性はありませんが、頭皮の水分を奪う「浸透圧」の影響で乾燥を引き起こすことがあります。
また、成分表示の上位(特に5番目以内)に塩化Naが来ているシャンプーは、品質よりもコストを優先している可能性が高いため、注意が必要です。
逆に「これが入っていれば安心」な成分
アミノ酸系洗浄成分
「コカミドプロピルベタイン」「ラウロイルメチルアラニンNa」「コカミドDEA」などがアミノ酸系洗浄成分の代表格です。硫酸系と比べて洗浄力はマイルドですが、髪や頭皮へのダメージが少なく、潤いを保ちながら汚れを落とせます。
髪質改善を目指す方、乾燥や敏感肌が気になる方には、アミノ酸系洗浄成分が上位に来ているシャンプーを選ぶことを強くおすすめします。
加水分解ケラチン・加水分解シルク
髪の主成分であるケラチンタンパク質を加水分解して低分子化したもので、髪の内部に浸透して補修・強化してくれます。ダメージ毛・パサつき・切れ毛が気になる方には特に効果的な成分です。
加水分解シルクも同様に、毛髪の滑らかさ・光沢・保湿に優れた成分です。これらが成分表示の中盤以内に入っていれば、品質の高いシャンプーと判断できます。
ヒアルロン酸Na・グリセリン
保湿成分の代表格です。頭皮の水分保持を助け、乾燥によるかゆみやフケを予防してくれます。特に秋冬の乾燥シーズンや、カラー・パーマ後の乾燥しやすい髪には重要な成分です。
ドラッグストアで実際に成分を見るときのチェックポイント
実際にお店でシャンプーを選ぶときは、以下の3ステップで確認するのが最も効率的です。
ステップ1:成分表示の2〜3番目を見る
「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」が来ていたら、そのシャンプーは洗浄力が強すぎる可能性大。いったん棚に戻しましょう。
ステップ2:アミノ酸系成分があるか確認する
「ベタイン」「アラニン」「グルタミン酸」などの文字が含まれる洗浄成分が上位に来ていれば合格です。
ステップ3:シリコンの数を数える
「〜コン」「〜メチコン」「シクロ〜」といった成分が3つ以上並んでいたら、シリコン過多の可能性があります。特にトリートメント効果を求めている方は注意しましょう。
まとめ:成分表示を読めば、シャンプー選びは変わる
シャンプー選びで大切なのは「価格」でも「パッケージ」でも「CMの知名度」でもありません。成分表示の上位に何が書かれているかを見るだけで、そのシャンプーが髪と頭皮に優しいかどうかがわかります。
今日ご紹介した「避けてほしい成分ワースト5」と「安心な成分」を参考に、ぜひ次のシャンプー選びに活かしてみてください。一本変えるだけで、髪の手触りや頭皮の状態が変わることを実感していただけるはずです。
また、シャンプー選びと合わせてホームケア全体の優先順位を見直したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
さらに「そもそもどんなシャンプーが美容師的にNGなのか」を知りたい方はこちら。



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